平成22年度 情報処理学会東北支部研究講演会(第355回講演会)開催報告


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平成22年度 情報処理学会東北支部研究講演会(第355回講演会)開催報告

日時:平成22年10月8日(金)14:00〜16:30
会 場:山形大学工学部(米沢キャンパス) 中示範C教室
講 師:伝 康晴 氏(千葉大学文学部 教授)榎本 美香 氏(東京工科大学メディア学部 助教)
演 題:対話研究の新展開


講演報告:
前半では伝先生より「話し言葉コーパスのアノテーションと分析」という題で,自身の研究経歴
の紹介から,現在の専門であるコーパス言語学について御講演いただいた.話し言葉コーパスの
アノテーションと,それを用いたコーパス言語学・心理言語学的分析の紹介がなされた.特に,
フィラーや発話再開始などの非文法的現象の生起要因と,音声対話における発話の完了を漸進的
に予測するモデルについて,分析の具体例を交えながら説明された.自然言語処理等に携わる聴衆
を意識し,言語学と工学の類似点と相違点のわかりやすい解説があった.

後半は榎本先生より「コミュニケーションギャップ解消のメカニズム」という題で,統合失調症や
うつ病によりコミュニケーションにハンディキャップを抱える人々の対話について御講演いただいた.
他者の発話の聞き取りができなかったり内容が理解できなかったりというコミュニケーションギャップ
がどのように修復されているかを,具体的な書き起こしを例に,会話方略として説明された.多くの
聴衆にとって,新鮮な話題であったと思われる.
山形大学の教員・学生に加え,学外からの参加者もあり盛況であった.

参加者:32名
報告者:井上 雅史(山形大学 理工学研究科)
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