支部長よりごあいさつ


根元 義章

このたび阿曽弘具先生のあとを引き継いで情報処理学会東北支部長を務めさせていただくことになりました.身の引き締まる思いをいたしておりますと同時に,支部活動に貢献できるよう全力を尽くしたいと考えております.支部会員皆様のご支援,ご協力をお願い申し上げます.

未来社会はITに多くの基盤をおいて成り立つと強く認識され,いかにITを導入し,活用していくかが,多くの分野での緊急かつ重要な課題となっております.またITは,これまでの世界的規模で解決が急務となっている諸課題に、新たな観点から解決を与えるものとして期待されております.しかし,その反面,社会構造の急速な変革を与えるため,多くの分野で,従来の概念,枠組みを脱し,いかに対応していくかが課題となっております.また、最近のITバブルの崩壊は,将来に対して不透明感を漂わせております.しかし,21世紀の社会を支えるのはITであることに変わりはないことは確かであります.このため,情報処理分野の研究のより一層の進展が必要であるのみならず,人間あるいは社会にとって真に有用であるITの活用に係わる研究が進展し,実用化が図られ,また学問分野として確立されていることが肝要であります. IT社会においても,主役は人間であります.人間の優れた個性が十分に発揮され,また地域のもつ個性,特徴も十分に尊重されることが必要です.高度な情報基盤を構築し,その上に展開される個性を十分に反映できるアプリケーション,地域の特徴あるアプリケーションが重要であることが,これまでになく強く指摘されます.

情報処理の分野はまさに,これらの根幹を担うものであり,その進展には多くの期待がこめられております.情報処理学会はわが国の多様な情報処理分野において常に先導的な役割を果たしている学会であり,東北支部は歴史のある学会支部であります.東北支部として,支部会員間の意見交換の場の設定,支部会員への情報提供,会員の活動報告の場の設定など、活動は極めて重要であると再認識をいたしております.

東北支部は,これまで歴代の支部長、役員,会員の方々のご努力により多くの学会活動で業績を挙げてきた支部であります.東北支部は,昨年設立30周年を迎え,今年度その記念事業を行うことになりました.記念式典,記念講演,そしてプログラミングコンテストを行い,設立30年をお祝いするとともに,会員の方々の一層の相互の懇親を図り,更なる発展につなげようとするものであります.記念事業へも会員の皆様の積極的なご参加をお願いいたします.

根元 義章@東北大学大学院情報科学研究科
nemoto@nemoto.ecei.tohoku.ac.jp