第298回研究講演会開催報告


情報処理学会東北支部第298回学術講演会報告
開催日時:2003年1月9日(木)13:30〜15:30
開催場所:山形大学工学部8号館214号講義室

演題:オブジェクト指向言語SCOOLの開発と応用
講師:羽中田 賢治(ドイツシュトゥットガルト大学情報学部教授)

講演要旨:

ドイツシュトゥットガルト大学で20年来開発されてきたオブジェクト指向言語SCOOL(スクール)の概要とその応用について解説した。SCOOLは、通常のオブジェクト指向言語とは異なり、classとinstanceの区別をしないかわりに、worldという概念を持ち込み、world内でのオブジェクト間の関係を、bit tableを用いて高速管理することによって、大規模で高速かつ実用的なオブジェクト指向言語を構築しようとするものである。

応用としては、学生のレベルに合わせた柔軟な教育を行う大学のさまざまな教育システムや、機械部品の修理やメンテナンスのための階層的なマニュアルなどがある。今回は時間と、コンピュータのヴァージョンの関係で、大規模なシステムに対するデモを行うことができなかったのは残念であったが、画像などを含む多くのリソースを柔軟に取り込めるSCOOLの能力の一端を垣間見ることができた。

また、日本と同様に、大衆化、国際化の進むドイツの大学の現状についても、質問に答える形で簡単に触れられた。冬休みが終わっていない時点での講演会とあって、参加者は余り多くなかったが、予定時間を30分近くオーバーして、熱心に講義、討論が行われ、大変充実した内容であった。

参加者:約20名
報告者:横山 晶一
山形大学工学部情報科学科
TEL: 0238-26-3336
FAX: 0238-26-3299