第333回研究講演会開催報告


日時:平成19年12月27日(木)13:30-15:40
場所:秋田大学工学資源学部情報工学科101講義室

講師:東北大学大学院教育情報学研究部 教授 渡部 信一 氏
演題:日本の「わざ」をデジタルで伝える
概要:伝統芸能や民俗芸能の「わざ」,そして職人の「わざ」。日本の「わざ」
は,本当にデジタルで表現し伝えることができるのだろうか?最先端のテクノ
ロジーを活用した「わざ」のデジタル化プロジェクトを紹介する。

講演報告:伝統芸能や民俗芸能の伝承を,行動記録技術と3Dを用いて支援する
プロジェクトが紹介された。具体的には,磁気式モーションキャプチャを用い
て身体の動作を記録し,3Dを用いてコンピュータ上で踊りを再現することによ
り,伝承をサポートするプロジェクトである。コンピュータ上で再現される映
像には,“様々な角度から観察が可能である”,“通常,観察することが困難
な衣装内部の身体の動きが分かる”などの利点があり,「わざ」を伝承するた
めの教材の1つとして有用であることが紹介された。


講師:東北大学大学院教育情報学研究部 准教授 中島 平 氏
演題:リモコンと映像記録を活用した学びの促進
概要:本講演では,スタンフォード大学教授学習センターとの共同研究の成果
として,授業の撮影と振り返りによって効率的・効果的に授業を改善する方法
を紹介する。具体的には,大学院授業での実例を通して,新任教員やティーチ
ングアシスタントへの適用可能性を探るとともに,コミュニケーション力向上
への応用方法を検討する。

講演報告:受講生が授業中に“面白い”と感じた時や“よく分からない”と感
じた時にリモコンを操作し,このリモコンの操作記録をビデオ映像における刻
印として用いる方法が紹介された。この方法を用いた場合,映像中の重要な部
分を短時間で検出可能であり,授業改善や授業評価に利用されている。今後は,
学生による授業の復習やe-ラーニングへの利用も期待できる。

参加者:約35名
報告者:玉本英夫(秋田大学)