平成23年度 情報処理学会東北支部研究講演会(第362回講演会)開催報告


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平成23年度 情報処理学会東北支部研究講演会(第362回講演会)開催報告 
日 時:平成23年12月22日(木)15:00〜17:00
会 場:秋田大学工学資源学部5号館(情報工学科) 101講義室

【講演1】
講 師:松本 奈緒 氏(秋田大学教育文化学部スポーツ・健康教育講座 准教授)
演 題:秋田の盆踊りの学習におけるデジタルコンテンツを用いた学習支援の効果と限界
    −モーションキャプチャ技術を応用した学習支援システム作成の試み−
概 要:
 モーションキャプチャ技術の応用は多分野に渡っているが,そのひとつとして身体運動の
学習支援に用いられている。現在,秋田大学では,モーションキャプチャを用いた秋田の盆
踊りの学習支援システムの開発を行い,その教育評価について研究を行っている。本講演で
は身体教育学分野の研究者と情報工学分野の研究者が共同でシステム開発に携わる意義,開
発中の舞踊教育学習支援装置の内容,教育効果の可能性と限界について紹介する。

【講演2】
講 師:曽我 麻佐子 氏(龍谷大学理工学部情報メディア学科 講師)
演 題:舞踊のモーションキャプチャデータを用いた振付創作と舞台演出
概 要:
 モーションキャプチャはCGや映像作品の制作だけでなく,人体動作の記録,解析,シミュ
レーションなど,様々な分野で活用されるようになった。本講演では,特に舞踊のモーショ
ンデータを用いたシステムとその活用事例として,振付シミュレーションシステムを用いた
舞踊創作,舞踊の学習・鑑賞を目的としたWeb3Dコンテンツ,モーションデータによるCG映像
を演出に取り入れた舞台パフォーマンスを紹介する。

講演報告:
 本講演会では,モーションキャプチャに関する二つの講演が行われた。
 はじめに,講演1では学習者(ユーザ)の視点から研究を行う身体教育学分野と,最先端の
技術を研究する情報工学分野が共同でシステムを開発する意義について説明があった。また,
秋田の盆踊りを題材にして開発した学習支援装置の紹介とともに,その開発装置を用いた教育
実践結果に関する報告が行われた。
 次に,講演2では3次元データの取得方法,モーションデータの活用例と研究動向に関する概
説があった。特に,AR(Augmented Reality:拡張現実)や群集シミュレーションに関する実例
を用いた紹介が行われた。また,伝統芸能とCG映像の融合による舞台作品の創作として,CG映
像を演出に取り入れた舞台パフォーマンスの紹介もあった。
 以上のように,モーションキャプチャに関する最新の研究内容を理解することができ,
参加者にとって非常に有意義な講演であった。

主催:情報処理学会東北支部
共催:秋田大学 大学院工学資源学研究科情報工学専攻・工学資源学部情報工学科

参加者:81名

報告者:玉本英夫,景山陽一(秋田大学大学院工学資源学研究科)
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